島の風習は各集落によって色々と異なる。 3年ほど前、伊仙町のある集落で「洗骨」(骨上げ・改葬)を拝見する機会があった。島で最も寒い2月の午前1時過ぎのこと。親類等が墓に集まり、女性は墓の横にある釜でお湯を沸かし、男性は墓石を移動して骨を上げ、お湯で洗骨を行う。そうこうしているうちに集落の人達が三々五々と集まり、墓の横の広場には大きな円陣が出来、酒盛りが始まった。(とても異様な雰囲気に感じた。)花徳の洗骨は骨上げ後、海岸に持って行き、海水で綺麗に洗って改葬を行う。最近火葬が多くなりこのような風習も消えつつある。
伊仙町の面縄では葬儀の後、海岸に行き、海水で手を洗って身を清める風習がある
(徳之島万華鏡記事より)
徳之島の風習 「洗骨・改葬」 |
人は生まれた時から一歩一歩死に向かって歩き始める。 徳之島では十数年前まで、葬送儀礼は地域の人々が執り行っていた。
近隣の死を知ると、自主的に住民がやって来て作業をしたものである。
しかし現在は、葬祭業者にすべてを任せる場合が多い。主流だった土葬も火葬になって久しい。徳之島町花徳で何十年振りかの土葬が先日行われた。 土葬が消えつつある中、「洗骨・改葬」儀式も今日ほとんど見られなくなった。 洗骨は土葬を行った数年後に、死者の骨を海水や酒などで洗い清め、再度埋葬する葬制である。 東南アジアや奄美群島、沖縄にこのような風習があり、「洗骨」「改葬」と称する。 先日、花徳で「改葬」が行われたが、埋葬跡から出て来た物は、着物だけで残りは全て自然界に返っていた。 洗骨・改葬の根拠は洗骨をして第二の葬儀をすることにより、子孫に幸福と豊穣をもたらす祖霊となると考えられていた為のようである。
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骨上げ=花徳墓地 |
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