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トクノシマトゲネズミについて講演する城ヶ原講師=1日夜、ユイの館
平成25年5月2日(木)
世界で徳之島だけに住む動物たち
トクノシマトゲネズミ進化の不思議 =ユイの館ミニ講演会
 徳之島固有種で国の天然記念物「トクノシマトゲネズミ」に関する講演会が1日夜、天城町ユイの館ホールであった。 トゲネズミの調査で26日から徳之島入りしている岡山理科大学理学部動物学科講師で琉球諸島小型哺乳類研究グループ代表の城ヶ原貴通氏がこれまでの調査結果などを報告した。 昨年の調査では約1000個の籠罠を仕掛けたが、1匹も捕獲することが出来なかった。今回は、これまでに1匹の捕獲に成功したが、奄美に比べ生息数が少なく絶滅が危惧されると言う。
 哺乳類の性を決定する染色体はメスがⅩⅩ、オスがⅩYで、Y染色体を持つか否かで性が決定される。Y染色体には精子形成などオス特有な働きをする遺伝子が存在し、オスとして生きていくために重要な役割をもっている。ところがトクノシマトゲネズミはオスであるY染色体を持たず奇妙な染色体と性決定システムを持つ。 
城ヶ原講師は「トクノシマトゲネズミにはオスは必要ないのか、またどうやって性を決めているのか分からない不思議な動物である」と語った。
 講演では、100m四方に何個体ぐらいが生息しているかや行動範囲など、これまでの研究成果を披露した
 講演に引き続いてNPO法人「徳之島虹の会」理事の美延睦美さんが徳之島の現状と課題~森と海の現場から~と題してスライドを交えて不法投棄などについて報告した。
 
ジャンプをするトクノシマケナガネズミ
 シイの実を食べるトクノシマケナガネズミ
 
【トクノシマトゲネズミ】
徳之島固有種・天然記念物・絶滅危惧Ⅰ類
平成18年7月、徳之島に生息するトゲネズミが新種である事がわかり「トクノシマトゲネ
ズミ」と名付けられた。

尻尾を除く体長は約10~15cm。先のとがった長さ約2cmのトゲ状の硬い毛を持つ。
夜行性。 シイの実や昆虫を食べる。ハブの攻撃から回避するための垂直方向への
ジャンプ力に優れ、移動方法はカンガルーに似ている。
 
【写真特集】
トクノシマトゲネズミのトゲ
 ジャンプ  
 
 幼獣? 餌探し 
 
 正面  後面
 側溝を徘徊するトゲネズミ  トゲネズミの死骸

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