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奄美地方固有種の「ウケユリ」=16日、徳之島高地
平成25年6月19日(水)
 山頂と下界の連係プレーで
幻の花「ウケユリ」自生地を特定
 徳之島では、環境省レッドデーターブックで絶滅危惧ⅠA類 (ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種)に指定されている「ウケユリ」の自生地は、これまで高地に一ヵ所が確認されているだけだった。 このほど天城町在住の写真家 山田文彦さんが超望遠レンズを使って数ヶ所の自生地を発見。 先日の日曜日、徳之島地区自然保護協議会のメンバーらが現地に赴いて自生地を特定した。 
山頂近くで釣竿の先に付けた赤色の旗を振り、それを下界で確認。 北側へ約300m移動するように等の指示を携帯電話を介してやり取りしながら、道なき道を前進。 先導者の「あった~」の興奮気味の大声。 眼前の断崖絶壁に数十本の群落が目に飛び込んできた。 
はるか彼方には、請島の島影なども見えロケーションも最高の場所である。 周囲を見回していると、北側斜面に別の自生地を発見。 そこまで調査に向かおうとした矢先、下界から雨雲が向かっているので下山するようにとの連絡が入り、急きょ下山を開始した。


 山頂近くのウケユリ自生地で振られる赤い旗 (白い点状はウケユリ)=下界より山田文彦さん撮影
霧が立ち込める中、下界のサポーターに手を振って合図をする調査隊=標高約430m

【写真特集】   
 
登山道入り口で出迎えてくれた固有種のハナサキガエル   旗を振って下界から位置確認
 
【ウケユリ】

奄美地方の固有種で白い大輪の花をつけるカサブランカの交配原種で、ビロードのような純白の花びらと赤褐色のおしべの大輪が気品ある芳香を放つ。瀬戸内町の請島や奄美大島の一部、徳之島の山岳地帯などごく限られた地域の山中や渓流のがけなどにわずかに自生している

ウケユリ   
 
道なき道を前進  行く手を阻む岩場
 
自生地No.3 から旗を振って合図を送る調査隊  雲が切れると前方には請島が浮かび上がる
 
足場の悪い中での昼食タイム   足元にはヒメハブの姿も
 
クロウサギの糞もあちこちに  まだ咲いていた固有種の「ハツシマカンアオイ
 
断崖に咲くウケユリ   オオタニワタリ
 
国の天然記念物「アカヒゲ」の巣立ち雛の姿も   感慨深げに登った山を見つめる調査隊


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