今年、オレゴン滞在中にケンタッキー州で4月30日、5歳の兄が2歳の妹を誤射し死亡させたのに続いて、フロリダ州では5月4日に13歳の兄が誤射して6歳の妹が重傷を負ったニュース報道を聞いて、どうしてアメリカでは一般市民に至まで年齢に関係なく銃乱射事件が起こるのであろうか、ケンタッキーの事故で使われたのは子供用のライフル銃だった。私が一番衝撃を受けたのは2012年12月、コネティカット州ニュータウンの小学校で、10歳以下の児童20人を含む26人が殺害された銃乱射事件である。大手スーパーなどで当たり前に売られている拳銃をロサンゼルスのスーパーで購入するためには、どのような条件が必要か聞いてみることにした。先ずアメリカ市民である事、2)重犯罪の前科がない者、3)精神病者でない、4)麻薬患者でない、5)未成年者等,購入契約した後、販売店が何週間か懸けて調査した結果によって購入が出来るようである。ライフル銃は州によって登録の有無が決まっており、登録の必要がなければ買ったその日に持ち帰りが可能という州も存在する。ちなみにライフルは18歳以上、ハンドガンは21歳以上から購入ができる。これは連邦法で決まっており、所持が可能かは州によってさまざまである。
元々アメリカには「規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有し携帯する権利は、これを侵してはならい。」と規定したアメリカ合衆国憲法修正第2条が、アメリカにおける銃規制反対の根拠になっている。この権利を、民兵を組織するための州の権利であって個人に銃所持を認めたものではないとしてみる集団的権利説と、個人が武装する権利であるとしてみる個人的権利説がある。2008年7月、連邦最高裁判所は個人的権利説を採用する判決を示した。
米議会上院は4月17日銃購入時の身元確認の義務付け対象をインターネットの売買などにも拡大する法案を賛成54、反対46で否決した。可決に必要な60票に届かず、銃規制に強く反対するロビー団体、全米ライフル協会の政治的影響力の大きさがあらためて浮き彫りになった。オバマ大統領は、今回は全米ライフル協会が勝利したが、これは「第一ラウンド」にすぎない。今後の戦いで形勢は逆転するだろうと語った。
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