塔原遺跡発掘調査の成果を住民に還元するとともに、町内遺跡に対する地域住民の理解向上に資することを趣旨とする現地説明会が8日、天城町兼久の発掘現場で行われた。 説明会には町内外から約40名が参加。 春教育長は挨拶で「行く行くは遺跡を復元し、国の指定を受けてこの一帯を憩いの場にしたい」と語った。
1973年に同遺跡を発見した向井一雄さん(85)=兼久=が、発見の経緯などを説明。 具志堅亮社会教育課主事補が、発掘調査成果や出土遺物の説明を行った。
同遺跡の発掘調査は25年前から始まり、今回で8回目。約2500年前の縄文後期~弥生前期の集落跡で、3万7000~3万8000㎡の大きさの集落の遺跡が展開している。 黒曜石や中原式土器、木の実をすりつぶす石器などが多数出土。火を使った跡なども確認された。 昨年度の調査では、奄美群島で最大級とみられる竪穴住居跡も確認されている。
同遺跡の特徴として、黒曜石を加工して作った石ナイフなど約200点が出土、佐賀県で産出する黒曜石がどのようなルートで徳之島に渡って来たか、加工技術をどの様にして習得したか等がこれからの解明が待たれる。
兼久地区の盛岡平作さん(86)から、「このような素晴らしい遺跡があるのに県指定がなされないのはなぜか? ぜひ、町関係者のご尽力を」との提言などもあった。
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