国際教育学博士 牧野 三佐男
オレゴン大学教育学部特任教授
わたしは台風銀座と言われている奄美群島の徳之島町花徳の新村で生まれ、中学まで小さな集落で育ちました。 子供の頃、台風がくる度に両親が雨戸を閉め物干竿を横にして雨戸が風に飛ばされないように縄でしばり、家につっかい棒をたてて家が飛ばされないように用心したのを台風がくる度に思い出します。当時は茅葺きの家が多く風に屋根が吹き飛ばされる家が多かった。
台風は、北太平洋西部で発生した熱帯低気圧のことで、この低気圧が発達して、圏内の最大風速が17メートル以上の強い低気圧になったのを「台風」と呼んでいます。 この発達した熱帯低気圧は、太平洋以外にも発生し、大西洋の熱帯で発生しアメリカを襲うものを「ハリケーン」インド洋に発生するものを「サイクロン」と呼んでいます。
さて、台風はその中心部に向かって、非常に強い風が渦を巻きながら吹き込んでいます。それが中心に近づくにつれて、ますます風が強くなり、そうなると、空気にはたらく遠心力も非常に強くなって、それ以上中心に入れなくなって、台風の目が出来てくるのです。 目のまわりには激しい上昇気流と高い積乱雲の壁がありますが、上空には下降気流があるために、雲が切れてぽっかりと青空がみえます。
そこで、いままで暴風雨が吹き荒れて、すさまじかったのに、急にそれがおさまって、風も弱くなり、青空が広がったりすることがあり、台風が通過したとホッとする間もなく、吹き返しの荒れ模様になります。これは、台風の目が通過したいたずらで、実際には、台風は半分しか通過しておらず、台風の目が過ぎ去ると、暴風雨がやってくることになるからです。
ちなみに、台風の目は、発生して間もない低緯度の熱帯地方では大きく、中緯度地方に向かって発達するにしたがって、だんだん小さくなります。ところで、台風は年間平均30個ぐらい発生し、そのうち日本に接近したり、上陸するのは3~5個と言われています。このうち、上陸するのは8月が多く、大きな被害を与える台風は9月に多いことが、これまでの統計資料から分析されていますが、何故か今年は10月まで大きな台風と豪雨が続き被災地にお住まいの皆さんに心からお見舞い申し上げます。
ハリケーケン・カトリーナ(Hurricane
Katrina)は、2005年8月末にアメリカ南東部を襲った大型ハリケーンです。ルイジアナ州、ミシシッピ州等7つの州で1836名死亡、行方不明者705人であった。ミネソタ大学の友人フライ教授から送られてきたのを添付しましたので台風と比較しながらご覧下さい。
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