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大好物のネズミに襲い掛かるハブ
平成21年8月12日(水)
ハブの話
県保健福祉部薬務課の2008年度ハブ対策事業の概要によると、ハブの咬傷者数は前年度比5人増の63人で、買い上げ数は1159匹増の1万8185匹。 市町村別の咬傷者数は、徳之島町18件、伊仙町14件、天城町12件で徳之島3町がワースト3。奄美大島では龍郷町が6件で最も多かった。



本土の人達は奄美の話になると、きまってハブのことについて色々と聞きたがる。同じ奄美でも喜界、沖永良部、与論にはハブはいない。大島本島、加計呂麻、徳之島には、その数は定かではないが、10万から20万は居ると言われている。沖縄も同じハブどころだが、奄美ほどに本土の方々には知られていない。その点奄美は日本一のハブどころとして全国的にも広く知られている様である。 小さい頃、誰からともなく聞いた話だが、ハブは盲人を咬まないという話を聞かされ、ごく最近までまさかと思いつつも、今日までなかば信じて来たが徳之島の盲の老人が家の中に居てハブに4ヶ所も咬まれて死んだ。 という新聞記事で驚きと恐怖を感じた。身長の三分の二以上の垂直の物体には這い上がれない筈のハブが家の中へどうして這い上がったのか、大好物のネズミを追っかけて一挙に這い上がったとしては、どうも納得いかない節がある。 昔、家の中の桁(ケタ)の処に忍者まがいの体よろしくハブ君がトグロをまいているという事で隣近所大騒ぎして捕獲したのを思い出すが昔も今もその点ちっとも変わっていない様だ。 ハブ防除のため石垣が取り壊されてコンクリートブロックに造り替えられはしたものの、それならばとハブ公今度は正面から暗につけこんで堂々と侵入してくる。 実に油断のならない野郎である。 
これは最近実際にあった話だが、年の頃50程の主婦が、近くに住む友人の家を訪ねて百メートル程のアスファルト道路をハブに用心とばかりに電燈をつけて暗い夜道をテクテク歩いて、その家の庭先まで来て、やれやれと電燈を消して、台所の裏戸をノックして後ずさりした途端、ゴミ箱の横にひそんでいたハブ公に後ろから右足下部をやられてしまった。 すっかり裏をかかれた訳だが、この時は軽くすんでよかったものの、まかり間違えば命にもかかわる一大事。笑いたくとも笑えない。こんなエピソードがいくらでも村中あちこちにころがっている様だが、油断もスキもないハブ野郎、これから先も、いつはてるともなくこんなことが繰り返されるのかと思うとうんざりして、歯ぎしりしたくなる。 ハブ野郎にはくれぐれもご用心をー。
                             【奄美グラフ 奄美今昔よもやま話より転載】