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平成23年6月24日(金)
ふるさとの伝説・民話
伊仙町阿権にまつわる伝説
伊仙町阿権に次のような伝説がある。 昔、伊仙の人が阿権に嫁入りして、鹿浦川の上流500メートル程のところにある大きな滝の横の切り立った岩の中ほどの、織機岩(はたむんいわ)に機を置いて、毎日少しづつでもといってハタ織りを続けていた。 もう少しで織り上がるという時に日が沈みそうになり、「もう少し時間があれば織り上がるのに」とひとり言をいったところ、いつの間にか明るくなり、みんな織り上げることができた。
女は喜んで織り上げた布を持って帰ろうとした瞬間、つまづいて20メートル程下の川底に落ちて死んでしまった。 昔から夜に布は織り切らないものといわれ、以来、この川のことをその女の名前がマツだったのでマツブキとよぶようになり、そんな事があってからはその川に入る人もなく、また、ここではマツブキとは言ってはならないとの言い伝えがある。
                                    宏洲一男(奄美今昔よもやま話より)

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