4月から新学習指導要領が実施され小学校の5、6年生に英語を教え始めてから半年が過ぎてしまった。小学校における英語教育は、基本的に学級担任が中心に、ALT(外国語指導助手)等とのチーム・ティーチングで行う方向性が示されています.授業の進行・指示に用いられるクラスルーム・イングリシュ(教室英語)は、他教科の授業で使われる表現とも共通点が多く、ジェスチャーなど理解の助けとなるものを与えながら使用する事で、児童はそれほど困難に感じずに意味を理解できるようになります。教室で繰り返し使用することで、イントネーションなど、英語の音の特徴とともに、英語の音の特徴とともに、英語の語順にも無意識のうちに慣れるという効用もあります。
「授業を全部英語で進めよう」と力む必要はありません。まず、できることから、やさしい英語を使ってみる事を考えましょう。母語話者と同じような発音である必要はありません。日本人の先生が「英語を使う姿勢」を児童に見せることが、何よりもたいせつです。担任の先生が「学習者のよきモデル」として、堂々と英語を使い、また、積極的にALT(外国語指導助手)とコミュニケーションをとる姿勢をみせることは、子供達にとって大きな目標となり、励みとなるはずです。
クラスルーム・イングリシュは、ALTが授業に参加した際に、円滑なチーム・ティーチングをうながすという役割も担っています。日本人教師がクラスルーム・イングリシュを使う事によって、授業の進行状況、活動の内容、また、次に何をしようとしているのか理解することができ、ALTは、より積極的に児童にかかわっていくことができます。担任の先生は、決してALTに丸投げして任せきりにしてはいけません。せめてALTとの教室での授業のために必要な英会話ができるように日頃から準備すべきである。ALTのなかには、英語教授法の専門でない人も多いからです。中には子どもが喜ぶからと言って習いたての日本語を使って笑わせたりゲームに比重を置き生の音声面が少なく児童のための授業効果が期待出来ないケースもあると報告されています。
クラスルーム・イングリシュの利点を最大限に生かすために、先生は適切な声の大きさで、ゆっくり、はっきりと英語を話すことを心がけます。最初は、意味を理解させるためにジェスチャーや行動、表情、イラスト、また日本語のヒントをもちいたり、ALTと一緒にデモンストレーションをして見せたりするなどの工夫も必要になるでしょう。子どもが英語の指示だけでも理解出来るようになってきたら、だんだんにジェスチャーや日本語の使用を減らしていくようにします。
子どもに英語で指示をするときも、自然なコミュニケーションになるよう、児童に[語りかける]つもりで英語を使うことが大切です。また、ALTとのチーム・ティーチングにおいては、児童に本当のコミュニケーションの様子を見せることを意識しましょう。話をしっかりと聞こうとする態度、相手に意思を伝えるための工夫を先生自身が示すことが大切です。わからないときに聞き返したり、確認したりするのも自然なことですから、[通じない]とあせらず、堂々と聞き返すことにします。
ALTと担任の先生が自然に会話する様子は、子どもたちにとっては、外国人のひとたちと協力して仕事をする[未来の自分たちの姿]をイメージさせることにもつながります。
(参考資料:新学習指導要領、英語ノート、小学校の英語教育
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